産業廃棄物収集運搬業の欠格要件について、埼玉県の基準をもとに解説。役員、5%以上の株主、政令使用人などの確認対象や、欠格要件に該当した場合の不許可・許可取消しについて詳しく説明します。

更新日:2026/08/30

産業廃棄物収集運搬業で欠格要件に該当するとどうなる?

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、車両や財政能力、講習会などの要件を満たすだけでなく、申請者や役員等が「欠格要件に該当していないことも重要です。
欠格要件に該当すると、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得できないだけでなく、すでに許可を取得している場合には、許可が取り消されることもあります。
この記事では、欠格要件について解説します。


産業廃棄物収集運搬業の「欠格要件」とは?

欠格要件とは、産業廃棄物収集運搬業の許可を受けることができない一定の事由のことです。
例えば埼玉県では、

「申請者、申請者の役員等、5%以上の株主等(法人の場合)及び政令使用人が、欠格要件に該当する場合には、不許可処分となります」

とされています。
つまり、法人の場合、代表者だけを確認すればよいわけではありません。
役員等や一定の株主、政令使用人についても欠格要件に該当しないか確認する必要があります。


【政令使用人とは】
政令使用人とは、申請者の使用人で、次に掲げるものの代表者のことを指します。
① 本店又は支店(商人以外の者にあっては、主たる事務所又は従たる事務所)
② ①に掲げるもののほか、継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、廃棄物の収集若しくは運搬又は処分若しくは再生の業に係る契約を締結する権限を有する者を置くもの


申請区分 欠格要件の確認対象
法人

・法人自体(申請者)・役員等
・5%以上の株主・出資者
・令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)

個人事業者

・申請者本人
・令第6条の10に規定する使用人(政令使用人)


欠格要件に該当すると許可を取得できない

最も分かりやすいのは、新規許可申請をした時点で欠格要件に該当しているケースです。
この場合、「不許可処分」となるとされています。
そのため、産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、事業計画や車両だけを準備しておけばよいわけではありません。
申請者本人や法人の役員等、5%以上の株主等、政令使用人についても確認する必要があります。


許可を取得した後に欠格要件が判明した場合は?

さらに注意が必要なのが、許可を取得した後です。
埼玉県の手引では、申請時点で欠格要件に該当していたことが許可後に判明した場合には、許可が取り消しとなると明記されています。
つまり、「申請時の確認をすり抜けて許可を取得できれば問題ない」というものではありません。
後から申請時点で欠格要件に該当していたことが判明すれば、許可取消しにつながる可能性があります。


欠格要件にはどのようなものがある?

欠格要件には様々なものがありますが、代表的なものは以下の通りです。

① 心身の故障

精神の機能の障害により、廃棄物の処理業務を適切に行うために必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者が対象となります。


② 刑罰を受けてから5年以内

拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終え、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者は欠格要件に該当します。
また、廃棄物処理法や浄化槽法など、一定の法令に違反して罰金の刑に処せられた場合も、その執行を終え、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者は対象となります。


③ 許可を取り消されてから5年以内

廃棄物処理業などの許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者も欠格要件に該当します。
なお、法人の許可が取り消された場合には、その法人の役員等についても一定の条件のもとで欠格要件が問題となります。


④ 不正・不誠実な行為をするおそれ

その業務について、不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者も欠格要件に該当します。


⑤ 暴力団関係

暴力団員である者、または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者も欠格要件となります。
さらに、申請者自身が暴力団員でなくても、暴力団員等がその事業活動を支配する者も欠格要件に該当します。


「役員」だけでなく5%以上の株主も確認される

法人の申請で見落としやすいのが、5%以上の株主・出資者です。
埼玉県の申請書では、法人について、発行済株式総数の100分の5以上の株式を有する株主、または出資の額の100分の5以上に相当する出資をしている者を記載することになっています。
そのため、役員ではないから欠格要件の確認対象にならない、というわけではありません。


政令使用人も確認が必要

政令使用人についても注意が必要です。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第6条の10に規定する使用人について、申請書に記載することとされています。
産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、会社の役員だけでなく、一定の権限を持つ使用人についても確認することが重要です。


欠格要件に該当する人がいる場合はどうすればいい?

欠格要件に該当する可能性がある場合は、まず「誰が」「どの欠格要件に」「いつ該当したのか」を整理する必要があります。
また、欠格要件に該当するかどうかは、単に「前科がある」「破産したことがある」といった情報だけでは判断できない場合があり、
例えば、刑事罰についても、どのような刑に処せられたのか、刑の執行がいつ終了したのかなど、具体的な事情を確認する必要があります。
そのため、該当する可能性がある場合には、申請前に専門家や申請先自治体へ確認することが重要です。


まとめ

産業廃棄物収集運搬業の欠格要件は、許可を取得するうえで非常に重要なポイントです。
埼玉県では、申請者、役員等、5%以上の株主等、政令使用人が欠格要件に該当する場合、不許可処分となるとされています。
さらに、申請時点で欠格要件に該当していたことが許可後に判明した場合には、許可取消しとなります。
産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する際には、車両や財務内容だけでなく、申請者や法人関係者についても欠格要件に該当しないかを事前に確認しておきましょう。

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