産業廃棄物収集運搬業の許可申請で必要となる車両の要件を埼玉県の基準に沿って解説。借上げ車両の条件、車両写真、表示義務、飛散・流出防止、駐車場、ディーゼル車規制について詳しく説明します。

更新日:2026/08/31

産業廃棄物収集運搬業の車両に求められる要件

産業廃棄物収集運搬業を始める場合、産業廃棄物を運搬するための車両を用意する必要があります。
ただし、単にトラックなどの車両を用意すればよいわけではありません。
許可申請では、使用する車両を申請書に記載し、自動車検査証記録事項の写しや車両の写真なども提出します。
また、車両を借りて使用する場合には、一定の条件を満たす必要があります。
この記事では、埼玉県での産業廃棄物収集運搬業の車両に求められる要件について解説します。


申請書には使用する車両をすべて記載する

申請書には、「運搬施設の概要」として運搬車両一覧を記載する欄があります。
ここには、使用する車両について、車体の形状、自動車登録番号または車両番号、最大積載量、所有者または使用者などを記載します。
更新許可申請の場合には、抹消する車両についても記載する必要があります。


「運搬施設」とは?

運搬施設」という言葉から、建物や土地などの大きな施設をイメージする方もいるかもしれません。
しかし、産業廃棄物収集運搬業の許可申請における「運搬施設」は、主に産業廃棄物を運搬するための車両運搬容器などを指します。
そのため、積替え保管を行わない産業廃棄物収集運搬業では、「運搬施設」といっても、まずは運搬に使用する車両や容器をイメージすると分かりやすいでしょう。
なお、車両を保管するための駐車場は別途確保する必要があり、その土地について所有権や賃借権などを確認する書類が必要になります。


車両の使用者が申請者であることが基本

車両について特に確認したいのが、自動車検査証記録事項上の「使用者」です。
使用者が申請者と異なる場合には、「借上げ車両を登録する場合の申出書」などの追加書類が必要になります。
したがって、他人名義の車両を使って産業廃棄物を運搬する場合には、通常の自社車両とは別に確認すべき事項があります。


借上げ車両を使用することもできる

産業廃棄物収集運搬業では、必ずしも申請者が所有する車両でなければならないわけではありません。
一定の条件を満たした借上げ車両を登録することができます。
借上げ車両を登録する場合には、車両の賃貸借契約書などを提出します。
契約書には、少なくとも次の事項の記載が必要とされています。

• 申請者と貸主との契約であること
• 1年以上の車両賃貸借期間があること
• 対象となる車両の登録ナンバー
• 賃貸借期間及び料金
• 産業廃棄物収集運搬業に使用すること
• 独占継続的であること

無料で借りる場合は、使用貸借契約書でもよいとされています。
これは、実質的に車両を自由に使用できる状態を確保するための要件と考えると分かりやすいでしょう。


車両の所有者と使用者が異なる場合にも注意

自動車検査証記録事項上の「使用者」と「所有者」が異なる場合には、さらに注意が必要です。
埼玉県では、所有者からの車両使用承諾書を提出することとされています。
例えば、リース車両などで所有者と使用者が異なる場合には、誰が車両を所有し、誰が使用しているのかを確認したうえで、必要な書類を準備する必要があります。


車両の写真も必要になる

許可申請では、車両の写真も提出します。
写真は、車両の前面と側面を撮影することとされています。
前面写真は、車両の前面を真正面から全体が写るように撮影し、ナンバープレートが確認できることが必要です。
側面写真は、車両の側面を真横から全体が写るように撮影し、名称等の車体表示が確認できることが必要です。
なお、車両が大型で車体の表示が写真から読み取れない場合には、表示部分を拡大した写真も提出します。


許可業者の車両には表示が必要

すでに産業廃棄物収集運搬業の許可を取得している事業者の場合、車両には所定の事項を表示する必要があります。

「産業廃棄物収集運搬車」
「会社名(事業者名)」
「固有番号(許可番号の下6桁)」

を表示することとされています。
会社名については、屋号ではなく会社名を表示する必要があります。
そのため、許可取得後に車両を使用する際には、単に会社名を表示するだけではなく、所定の表示内容を確認する必要があります。


車両には飛散・流出を防止する措置が必要

産業廃棄物を運搬する際には、運搬中に産業廃棄物が飛散したり、流出したりしないよう適切な措置を講じる必要があります。
そのため、荷台に積載した産業廃棄物が飛散するおそれがある場合には、シートを掛けるなど、廃棄物の種類や性状に応じた対策を行います。
運搬する産業廃棄物に応じて、飛散・流出を防止できる方法を選択することが重要です。


産業廃棄物の種類によって車両の選び方にも注意する

どの車両でも、あらゆる産業廃棄物を運搬できるわけではありません。
例えば、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物については、破砕してしまうおそれのある車両の使用に注意が必要です。
また、運搬する産業廃棄物の性状によって、適切な容器や運搬方法も変わります。
そのため、車両を購入する前に、「何を運ぶのか」を決めておくことが重要です。
許可を取得したい品目と車両の構造が合っているかを確認してから、車両を準備するようにしましょう。


埼玉県ではディーゼル車規制にも注意

埼玉県で産業廃棄物収集運搬業を行う場合、車両についてもう一つ注意したいのがディーゼル車規制です。
自動車検査証記録事項の型式欄の記載が「KK-」「KL-」「KC-」などで始まる場合、埼玉県生活環境保全条例によるディーゼル車規制の対象となる可能性があるとされています。
規制の対象となる車両については、粒子状物質減少装置(DPF)を装着して粒子状物質排出基準を満たすことで、埼玉県内での走行が可能となります。
新規に登録する車両で規制対象となる場合には、DPF装着証明書の写しなどを提出します。
車両を中古で購入する場合などは、許可申請だけでなく、この点についても確認しておくと安心です。


駐車場も準備しておく

車両を用意したら、当然その車両を保管する場所も必要になります。
申請者が所有する駐車場の場合は土地の全部事項証明書、申請者が確保した駐車場の場合は土地の賃貸借契約書の写しなど、駐車場の状況に応じた書類を提出します。
また、借上げ車両については、車両の貸主が所有または確保している駐車場を利用できるケースについても、必要書類が定められています。


まとめ

産業廃棄物収集運搬業の車両については、単に「トラックがあればよい」というわけではありません。
申請時には使用する車両をすべて申請書に記載し、自動車検査証記録事項の写しや車両写真などを提出します。
また、車両を借りて使用することもできますが、その場合には一定の契約期間や使用目的、独占継続的な使用などについて条件が設けられています。
さらに、許可取得後の車両には「産業廃棄物収集運搬車」「会社名」「固有番号(許可番号の下6桁)」の表示が必要です。
これから産業廃棄物収集運搬業を始める場合は、先に車両を購入するのではなく、取り扱う産業廃棄物の種類、運搬方法、車両の構造、使用者・所有者、駐車場などを確認したうえで車両を準備することが重要です。

産廃業の許可なら
お任せ下さい! メールで相談 LINEで相談