産業廃棄物の「動植物性残さ」とは何か、魚の骨・野菜くず・酒かすなどの具体例、排出限定業種、飲食店や市場から出る食品残さとの違いを埼玉県の手引きをもとに解説します。

更新日:2026/09/18

動植物性残さとは?産業廃棄物収集運搬業で知っておきたいポイント

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する場合、実際に運搬する産業廃棄物の種類を正しく理解しておく必要があります。
その中でも「動植物性残さ」は、食品製造業などから発生する、動物や植物に由来する固形状の不要物です。
魚の骨や野菜くずなどをイメージしやすい品目ですが、食品に関係する事業所から発生したものであれば、すべて産業廃棄物の「動植物性残さ」になるわけではありません。
動植物性残さには排出する業種の限定があるため、どのような事業活動から発生したものなのかを確認することが重要です。


動植物性残さとは?

動植物性残さとは、食料品製造業などにおいて、原料として使用した動物または植物に係る固形状の不要物をいいます。
埼玉県の手引きでは、動植物性残さの排出限定業種として、

食料品製造業、飲料・飼料製造業(たばこ製造業を除く。)、医薬品製造業、香料製造業

が挙げられています。
つまり、動植物性の原料を使用しているというだけでは足りず、法律で定められた業種から発生したものであることがポイントになります。


動植物性残さの具体例

動植物性残さには、動物由来のものと植物由来のものがあります。
動物性残さとしては、
魚や獣の骨、皮、内臓などのあら、ボイルかす、うらごしかす、缶詰・瓶詰めの不良品、乳製品の精製残さ、卵殻、貝殻、羽毛などが挙げられます。
植物性残さとしては、
ソースかす、しょうゆかす、こうじかす、酒かす、ビールかす、あめかす、でんぷんかす、豆腐かす、あんかす、茶かす、米・麦粉、大豆かす、果実の皮・種子、野菜くず、油かすなどがあります。
このように、食品などの製造工程で原料として使用された動植物から生じる固形状の不要物が、動植物性残さの代表的なものです。


動植物性残さはどのような事業所から発生する?

動植物性残さは、主に食品や飲料などの製造工程から発生します。
例えば、食品工場で原料となる魚や野菜などを加工する際には、骨、皮、内臓、野菜くず、果皮などが発生することがあります。
また、酒やしょうゆ、豆腐などの製造工程では、酒かす、しょうゆかす、豆腐かすなどが発生することがあります。
このような製造工程から発生した固形状の不要物は、動植物性残さに該当する代表的な例です。


「食品から出たものなら動植物性残さ」ではない

動植物性残さを理解するうえで、特に注意したいのが排出事業者の業種です。
例えば、飲食店や市場などから出る食品残さについては、動植物由来のものであっても、直ちに産業廃棄物の「動植物性残さ」になるわけではありません。
埼玉県の手引きでは、市場、飲食店等から排出される動植物性残さ又は厨芥類は事業系一般廃棄物とされています。

※厨芥類(ちゅうかいるい)とは、台所の調理場から出る野菜くずや食べ残しなどの生ごみのことです。

したがって、「魚の骨だから動植物性残さ」「野菜くずだから動植物性残さ」と、廃棄物の種類だけを見て判断することはできません。
何の事業活動によって発生したものなのかを確認することが重要です。


動植物性残さと一般廃棄物の違い

動植物性残さは、産業廃棄物の品目の一つですが、すべての食品残さが産業廃棄物になるわけではありません。
例えば、食品製造工場で原料として使用した魚や野菜から発生した残さは、一定の要件を満たせば動植物性残さとして産業廃棄物になります。
一方、飲食店などから排出される食品残さや厨芥類については、埼玉県の手引きでは事業系一般廃棄物として整理されています。
この違いは、動植物性残さを収集運搬する場合に非常に重要です。


動植物性残さを収集運搬するなら排出業種の確認が重要

動植物性残さは、食品製造などから発生する身近な廃棄物に見えますが、産業廃棄物としての動植物性残さには排出限定業種があります。
そのため、動植物性残さを収集運搬する場合には、単に「食品から出た残さ」というだけで判断するのではなく、どの事業者から、どのような製造工程によって発生したものなのかを確認することが重要です。
特に、食品製造工場から発生する残さと、飲食店などから発生する食品残さでは、産業廃棄物と事業系一般廃棄物の区分が異なる場合があります。
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際には、実際に取り扱う廃棄物の発生業種や発生工程を確認したうえで、「動植物性残さ」の許可品目が必要かどうかを検討しましょう。

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