更新日:2026/09/15
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する場合、実際に運搬する産業廃棄物の種類を正しく理解しておく必要があります。
その中でも「廃酸」と「廃アルカリ」は、工場や製造業、食品関連事業所などから発生することがある液状の産業廃棄物です。
廃酸は酸性の廃液、廃アルカリはアルカリ性の廃液を指しますが、性状によっては「特別管理産業廃棄物」に該当する場合があるため、取り扱いには注意が必要です。
ここでは、廃酸・廃アルカリの基本的な意味や具体例、廃油との違い、特別管理産業廃棄物との関係について解説します。
廃酸とは、廃硫酸や廃塩酸をはじめとする、酸性の廃液をいいます。
環境省の通知では、廃酸には
「廃硫酸、廃塩酸、各種の有機廃酸類をはじめ酸性の廃液のすべてを含む」
とされています。
例えば、製造工程などで使用された酸性の薬品が不要となったものや、酸を使用する工程から排出される廃液などが廃酸に該当する場合があります。
また、アルコールや食用アミノ酸の製造に伴って発生する発酵廃液についても、環境省の通知では廃酸として扱うことが示されています。
廃アルカリとは、アルカリ性の廃液をいいます。
環境省の通知では、
廃ソーダ液や金属せっけん液をはじめとする、アルカリ性の廃液
が廃アルカリに含まれるとされています。
例えば、製造工程や洗浄工程などで使用されたアルカリ性の薬品が不要となったものなどが、廃アルカリに該当する場合があります。
埼玉県のFAQでは、自動車の冷却水として使用される不凍液についても、廃アルカリとして扱うとされています。
ただし、他の廃油類が混入している場合には、廃油と廃アルカリの混合物として扱われます。
廃酸・廃アルカリには、さまざまなものがあります。
廃酸の例としては、廃硫酸、廃塩酸などの酸性廃液が挙げられます。
一方、廃アルカリの例としては、廃ソーダ液、金属せっけん液、不凍液などが挙げられます。
ただし、廃棄物の品目は名称だけで判断できるとは限りません。
例えば、同じ製品や薬品でも、他の廃棄物が混ざることで異なる品目や混合物として扱われる場合があります。
そのため、実際に収集運搬する際には、廃棄物の成分や性状、発生工程などを確認することが重要です。
廃酸・廃アルカリを取り扱ううえで特に注意したいのが、「特別管理産業廃棄物」です。
廃酸のうち、著しい腐食性を有するpH2.0以下のものは、特別管理産業廃棄物に該当します。
また、廃アルカリのうち、著しい腐食性を有するpH12.5以上のものも、特別管理産業廃棄物に該当します。
つまり、「廃酸だからすべて普通の産業廃棄物」「廃アルカリだからすべて普通の産業廃棄物」というわけではありません。
実際に取り扱う廃酸・廃アルカリのpHや性状を確認し、特別管理産業廃棄物に該当しないかを判断する必要があります。
廃酸・廃アルカリと混同しやすいものに「廃油」があります。
廃油は、鉱物性油や動植物性油脂に係る廃油であり、潤滑油、絶縁油、洗浄用油、切削油、廃溶剤などが含まれます。
これに対して、廃酸は酸性の廃液、廃アルカリはアルカリ性の廃液です。
ただし、複数の種類の廃棄物が混ざっている場合には注意が必要です。
例えば、埼玉県では、不凍液に廃油類が混入している場合は「廃油と廃アルカリの混合物」として扱うとしています。
このように、単に液体であるというだけではなく、その成分や性状を確認して適切な品目を判断することが大切です。
廃酸・廃アルカリは液状の産業廃棄物であるため、収集運搬時には漏えいや流出を防ぐことが重要です。
特に、腐食性のある廃酸・廃アルカリを運搬する場合には、容器や車両について、取り扱う廃棄物の性状に適したものを使用する必要があります。
また、特別管理産業廃棄物に該当する廃酸・廃アルカリについては、通常の産業廃棄物とは異なる規制が適用されます。
そのため、単に「廃酸・廃アルカリの許可品目があるから運べる」と考えるのではなく、実際に運搬する廃棄物が普通産業廃棄物なのか、特別管理産業廃棄物なのかを確認することが重要です。